秘すれば花

【秘すれば花】

たしか中学生くらいの時に聞いた言葉で、当時は
『思いを伝えずに心に留めておく』
という意味と思ってました。

言葉は花と同じで言って咲いてしまったら、あとは枯れるだけ。言えば言うほど、水にいれた墨のように薄まっていく。
言わないと分からないし伝わらないと分かっているし、それは今でも思ってはいますが、元の意味は違います。


世阿弥が書いた理論書『風姿花伝』に出てくる言葉です。


秘する花を知ること。
秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、となり。
この分け目を知ること、肝要の花なり……




『花』→『珍しいこと・面白いこと』


秘すれば花。
秘密にしているからこそ面白くもあり感動もできるということです。


ウィッグ加工・メイク・衣装制作・衣装アレンジ・造形・撮影方法…etc、
これらにも当てはまりますね。

以前、水撮影での水の投げ方のコツや道具をツイートしたことがあったんですが、けっこうリツイートされました。
こういったコツや方法をネットで広めることはたやすい、そして広めた人には注目が浴びる。
でもそれは一時期のことで、長くは続かない。
それこそ、秘めているからこそ花になる。
秘めていなけば花の価値は失せてしまう。


ツイッターでのこういった教えるタグ系のものは、とてもとても便利ですが、デメリットもあったりするということです。